タマの助産師外来

助産師タマの、マタニティライフを楽しむための生活のヒント

トキソプラズマ

妊婦健診で妊婦さんとお話をしていて、たまに聞かれるトキソプラズマのことについて書きたいと思います。

 

トキソプラズマ ゴンディイ(toxoplasma gondii)による原虫感染症

トキソプラズマは多くの動物の細胞内で増殖し、人へは食肉、家畜類あるいは犬、猫から感染するといわれています。

成人では、感染しても症状の出ないことが多いといわれます。発症した場合には、高熱、リンパ節の腫脹、肺炎、心筋炎、脳炎となり時に、発疹が出ます。

 

トキソプラズマを妊娠中に初めて、口から体内へ入った場合、胎児に先天性トキソプラズマ症を発症することがあります。トキソプラズマ感染では、母体は無症状であることが多いと言われています。妊娠初期のトキソプラズマ感染は胎児の感染率は10%以下と低いが、症状は重篤になると言われています。妊娠中期、後期の初感染では、胎児感染率(15-30週で約20%、31週以降で60-70%)は高いが、症状のでないものや軽症のものが多いとされています。

 

 先天性トキソプラズマ症の赤ちゃんの全身症状としては、低出生体重、肝脾腫、黄疸、貧血、精神症状として、脳内石灰化、水頭症や小頭症があると言われています。

 約95%の妊婦はトキソプラズマ抗体を持っておらず、初感染の危険がありますが、1万の出生に対し2-5人の発症率であるためか、全妊婦に対してのトキソプラズマの抗体検査は推奨されていません。そのため、妊娠初期にトキソプラズマの抗体検査をする病院もあるかもしれませんが、しない病院がほとんどだと思います。ご自身が、抗体があるのかないのか気になるようでしたら病院のスタッフへ聞いてみるといいと思います。妊婦さんへのトキソプラズマの抗体検査が必須でない病院でも検査ができることも多いです。

抗体検査も大事ですが、感染を予防することもとっても重要です。

 

トキソプラズマに感染しないように注意することは・・・

①肉はしっかり焼いて食べる。

②むやみに土に触らない。触った時は、しっかりと洗い流す。野菜についてる土にも注意。洗い流しましょう。

③生水の飲水を避ける。

④猫との過剰な接触はさける。猫のトイレの掃除は妊娠中はやらない。