タマの助産師外来

助産師タマの、マタニティライフを楽しむための生活のヒント

妊婦健診

妊娠の経過や、胎児の発育状況、母体の変化をチェックしたり、異常を早期発見するために、妊娠中は定期的に健康診査を受けます。これを「妊婦健診」と言います。定期健康診査で実施する検査項目や実施時期は妊娠経過の違いや受診時期により異なります。

 

いつから妊婦健診?

調べたところ、いつからという決まりはないようです。私の勤める病院では妊娠が確定して、分娩予定日が決まったらその次の受診日から妊婦健診という扱いになります。分娩予定日が決まるのが8-9週頃ですので、だいたい12週付近から「妊婦健診」となってます。これは、病院によって違いがあると思います。

そのあとは、23週までは、4週に1回。24週から35週までは2週に1回、36週を超えたら1週に1回となります。

 

妊婦健診では、初期、中期、末期で行う検査もありますが毎回必ず行う検査があります。尿検査、血圧、体重、腹囲と子宮底の測定、浮腫の有無、胎児心音の聴取です。

毎回行う検査で、妊娠経過に異常がないか見ていきます。

尿検査...尿糖、尿たんぱくが出ていないか確認しています。尿糖が出ている場合には、食事の時間等や程度にもよりますが、妊娠糖尿病の可能性があります。尿糖が強く出ている場合には、採血をして実際の血液中の糖の値を調べることもあります。尿たんぱくが出ている場合には、妊娠高血圧症候群になる可能性があがります。血圧が高くないかや浮腫はどうかも一緒に見ています。

体温…妊娠16週頃までは高温層が持続し37℃前後ですが、それ以降は平熱に戻ります。

血圧…妊娠初期から中期にかけて少し下がり、その後は少しずつ上がります。非妊時より上の血圧が30mmHg、下の血圧が15mmHg上がるような場合は異常となります。

体重…体重の大幅な増加は、浮腫がある場合もあります。同じような服装で来院して体重測定しましょう。体重増加の目安は500mg/週です。便秘で体重が増えている場合もありますので、そういった場合には医師に相談し下剤を処方してもらうのもいいと思います。妊娠中は、子どもがいる出産後の生活も踏まえ食生活を見直すとてもいい機会です。体重が増えすぎてしまう人は、食事内容を記録し見直してみましょう。

胎児心音...赤ちゃんの心臓の音です。赤ちゃんの心臓はとても早く動いています。110~160回/分で正常です。

 

妊婦健診は、原則として、出産する予定の病院で受けます。帰省分娩をする場合は、帰省時期まで、近隣の病院で妊婦健診をします。帰省分娩の場合は、中期までに1度帰省先の病院へも受診しておくことがほとんどです。これも病院によって、勝手が違うと思いますので、帰省先の分娩施設に分娩予約をする際にいつ頃から帰省先へ帰るのかと、それまでに受診が必要かどうか確認しておきましょう。

 

妊婦健診は、赤ちゃんが順調に育ってるかやエコーで赤ちゃんの動く姿を見れる機会です。待ち時間が長い病院もあるとは思いますが、楽しみな健診であってほしいと思っています。

私も、妊婦健診の際に助産師として妊婦さんから話をうかがうのですが、前回の妊婦健診で体重が増えすぎて、母親になる資格ないって怒られた!等、いやな思いをしたことを話される機会も少なくありません。母体と胎児を思っての厳しい言い方だったのかなとは思いますが、妊婦健診がいやなものであってはいけないと思っています。

 

妊婦健診は、厚生労働省によって以下のように示されています。

妊娠初期から妊娠23週まで:4週に1回

妊娠24週から妊娠35週まで:2週に1回

妊娠36週から分娩まで:1週間に1回

*お腹の張りや胎児の発育等、なにか異常と思われることがある場合には、これよりも短い間隔で受診する場合もあります。